ふとした瞬間に漂ってくる香りが、懐かしい記憶を呼び起こすことってありませんか?
JIGYEOのお香は、そんな“心に静かに届く香り”を目指してお作りしています。
今回は、JIGYEOのお香がどんな場所で、どんなふうに生まれているのか。実際に栃木県の工場を訪れ、そのものづくりの現場に触れてきました。
お香に込められた“こだわり”を、少しだけご紹介させてください。
香りが生まれる場所は、栃木の山あい
JIGYEOのお香が作られているのは、関東地方北部に位置する自然豊かな内陸の地、栃木県。
山々が連なり、清らかな川が流れるこの土地は、四季折々の表情を見せてくれます。
また、栃木には世界遺産・日光東照宮をはじめとする数多くの歴史的建造物があり、古くから自然と文化が静かに共存する場所でもあります。
この土地に根ざしてお香づくりを行っているのが、栃木県認定の伝統工芸士でもある、ひとりの薫香師。長きにわたり香りと向き合ってきた職人が、静かに、しかし揺るぎない想いで、一本一本のお香を生み出しています。
“香りの質”を決めるもの
少しだけ、原料のお話を。
お香を選ぶとき、「なぜこんなに価格に差があるんだろう?」と感じたことはありませんか?見た目は似ていても、その香りの質や深さには、はっきりとした違いがあります。
市販のお香のなかには、「タブ粉(糊代わりの粉)に香料を加えるだけ」という非常にシンプルな原材料で作られていることも多いようです。たしかにコストは抑えられますが、香りの奥行きや濃さはどうしても薄れがちです。
一方、JIGYEOのお香は、
・白檀や沈香など、複数の天然香木を贅沢にブレンド
・その香木同士のバランスを、職人が感覚で調整
・香料に頼りすぎず、素材そのものの香りを引き出す
という、アプローチで作られています。
JIGYEOのお香にも使用している天然香木には、油分がしっかりと詰まっています。
この油分こそが、香木にしか出せない、深く、奥行きのある香りの秘密。
火を入れたとき、油分がじんわりと熱に溶け出すことで、ただ“匂う”のではなく、空間全体に“響く”ように香るのです。
香木と対話しながら、香りを“設計する”という仕事
そんな原材料にこだわり、香木を見極め、香りを設計するのは、まさに職人の技があってこそです。
香りを手がけている薫香師は、まず素材となる香木そのものを選定するところから始めます。白檀や沈香といった天然香木は、それぞれに個性があり、産地ごとに香りの出方が微妙に違います。
それらの香木をただ混ぜるのではなく、どの香りを主旋律に据え、どの香りを支えとして響かせるか――
まるで音楽のように、緻密に設計し、ブレンドしていく。
この工程こそが、JIGYEOのお香を特別なものにしている理由のひとつです。
さらに、素材の状態に応じて配合をその都度微調整するのも、経験と感覚を極めた職人だからこそできる仕事。
その日の気温や湿度、素材の湿り気を見極めながら、薫香師が手で調合していく――
まさに機械には真似できない、“感覚のものづくり”です。
実際に工場を訪れた際、ちょうど原材料の業者の方も現場にいらっしゃっていて、その方がぽつりと「ここまで調合にこだわっている現場はなかなかない」「そもそも調合からやっているところがめずらしい」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。
香木と真摯に向き合い、妥協なく香りをつくり上げる姿に、私たちは職人の静かなプライドを垣間見たような気がしました。
そしてJIGYEOもまた、この丁寧な手仕事と香りへの姿勢に深くリスペクトを込めて、このお香を、香りを愛する多くの方にお届けしたいと強く思いました。
5/15 20時より発売いたします
天然香木をふんだんに使用しながら丁寧に作られた、JIGYEOの新しいお香。
今回は、パッケージも一新し、より日々の暮らしに寄り添う佇まいに仕上げました。JIGYEOのお香は、5月15日(水)20:00より、オンラインストアにて発売いたします。
以前から好評いただいていた
・jin(ジン)
最高級白檀を2種類ブレンドした香り
・sonagi(ソナギ)
すこしほろ苦い土と苔の香り
に加えて、今回新作として
・ayame(アヤメ)
瑞々しく気品ある菖蒲の香り
・maehwa(メファ)
ふんわりと甘い白梅の香り
の2種が加わります。
JIGYEOのお香は、空間を変えるためではなく、
自分自身と向き合う時間をそっと支える香りでありたいと考えています。
深呼吸したくなったとき。
目を閉じて、頭をリセットしたいとき。
そんな瞬間に、ぜひ手に取ってみていただけますと幸いです。
THE SCENT OF DOING NOTHING
JIGYEO